[象鯨彫刻家具ショールーム]展覧会のお知らせ
2024.07.25
2年ぶりの開催となる菊地雅文の絵画展。日本とは異なる環境に家族で身を置き、制作に挑んだ彼の新たな作品に注目です。
ラウスの風景
〒255-0001
神奈川県中郡大磯町高麗2-9-3
0463-61-9622
ジャポニスムスム~世に棲む様式
僕が好きな絵はセザンヌやマティス、ボナール、クリムトと、ざっくりですが「ヨーロッパの人」が描いたものが多いです。それらの作品に「いいかたち」や「心地良さ」を感じ、それらを「様式」として学習してきました。
今年の5/31~7/4、スウェーデン南部のラウスという所にアーティスト・イン・レジデンスで滞在しました。制作を目的として海外に行くのは初めての体験でした。このラウスで見た景色は僕にとって、これまたざっくり「ヨーロッパの田舎」そのものでした。先人たちが観察したであろう、いいかたちの宝庫でした。
僕の感じてしまう「いいかたち」が何なのか、かれこれ35年は考えてますが、今回やっとわかりました。それは動き続ける、移ろう、変わる、流れる、揺れる、そういった、活動とか生命力とかの連続を感じさせるもの、なんだと思いました。浮世絵の様式に表現の可能性を見た近代のヨーロッパ人たちも、きっとその生命力を取り込もうとしたんだ、と。そう思うと、ぐるっと一巡して僕につながる輪っかが出来た気がしました。
菊地雅文
2年ぶりの開催となる菊地雅文展。今回のタイトルは「ラウスの風景」本年初夏にアーティスト・レジデンスで滞在したスウェーデン、ラウスでの絵画やスケッチの数々。日本画家の妻と小さな子どもと3人で描いた幸福な体験がまだ冷めないホットでクールな展示です。前回も書きましたが、超絶上手い学生を1,000人以上見てきました。そんな中で菊地雅文は特別な存在です。菊地雅文が、一番上手いと言うことではなく、僕が出来ない僕の理想の線を「弾ける」のが、菊地雅文だと言うことです。*彼の人物クロッキーは、線を「引く」と言うより、「弾く」感じがするのです。技量では無く、魂なのかも知れません。
僕が主宰する、象鯨彫刻家具には、デッサン力が不可欠である、と常に言ってます。「なんでこれにそんなデッサン力要るの?」と思う方も多いでしょう。菊地雅文の絵もそう思われるかも知れません。しかし、その確かなデッサン力、活きた線を引ける事で、この絵、この彫刻が存在しているのだと思います。
象鯨代表 西村浩幸